研究開発事例
珪酸ソーダ中の珪酸の構造について
当社では珪酸ソーダ中の珪酸の構造解析やその構造に由来する特性の研究を進めています。珪酸ソーダは珪酸(SiO2)、ナトリウム(Na2O)、水(H2O)の組成で示されます。ナトリウムは液中では主にNa+となって存在しており、珪酸ソーダはアルカリ性を示します。珪酸はSiO4の正四面体を基本ユニットした構造を持ちます。液中ではNa2Oとの比率や濃度に応じて、珪酸はモノマー(0.3 nm)~オリゴマー(1 nm以下)~粒子(1 nm以上)の構造が分布していることが知られています。当社ではこのような珪酸ソーダ中の珪酸の構造解析やその構造に由来する特性の研究を進めています。
珪酸の構造の一例
-
1. 珪酸ソーダ中の珪酸の構造に関する研究
当社では29Si NMR、ラマン分光法、FT-IR、小角X線散乱法など様々な手法を用いて珪酸ソーダ中の珪酸の構造解析を進めています。SiO2/Na2Oで示されるモル比が低いほど小さい珪酸が多く含まれ、モル比が高いほど粒子性が高くなっていきます。
珪酸の形状・粒子径解析の例
-
2. 珪酸ソーダの反応における珪酸構造の変化に関する研究
in situ SAXSやFT-IRなど複数手法を組み合わせることで、多角的に反応中における珪酸の構造変化に関する研究を進めています。これにより原料中の構造がどう影響するのかについて化学的に解明することを目指しています。
種々の検討から解明した珪酸ソーダのゲル化過程